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8支則:8つのヨガとは何か?

ヨガには、8支則(はっしそく)という8つの段階があります。
8(アシュ)タンガ(枝)アシュタンガヨガとも言われる。
「ヨーガ・スートラ」の中の第2章
サーダナ・パーダ出てくるヨガのゴールに至るための方法。

 

本来の自分を知り、
自分自身と繋がるための
8つの段階的な教えと言われています。
毎日の思考を整え、
何を食べ、
どのように他者とかかわり、
何を目指すのか?
生き方のすべてを
ヨガの学びとするための方法が、
アシュタンガヨーガ(8つの枝からなる教え)です。

 

ヤマ ニヤマ プラーナーヤーマ プラティヤハーラ
ダーラナ ディヤーナ サマーディヤハアシュタンガーニ 2-29

yama niyama-asana pranayama pratyahara
dharana dhyana samadhayo-‘shtavangani ||29||

 

8つの段階とは?


①ヤマ yama 守るべき規律

②ニヤマ niyama 自分のルール 自分自身が気を付けること。

③アーサナ asana 身体的な練習 快適な姿勢

④プラーナヤーマ pranayama 呼吸(エネルギー)を整える

⑤プラティヤハーラ pratyahara 感覚のコントロール

⑥ダラーナ dharana 集中

⑦ディヤーナ dhyana 瞑想

⑧サマディ samadhi 悟り

 

①ヤマ Yama

守るべき規律、人格を高めるための方法

①Ahimusa(アヒムサ)… 非暴力のこと。
インド独立の父マハトマ・ガンジーが提唱したのも、このアヒムサ。
非暴力は周りの人にも、
暴力を振るわないことはもちろん、
言葉の暴力も振るってはいけないし、
自分自身にも暴力的な(いたわらない)
行動をしないことと言われています。

 

②Satya(サティヤ)… 嘘をつかないこと。
ただし正直に話しすぎて
人を傷つけてしまうならば沈黙も大切なこと。
どの様に伝えるかも大切な事です。

③Asteya(アスティヤ) … 盗まないこと。
物質的なことはもちろん、
時間を守ることも含まれます。
他者の大切な時間を
奪わないように気を付けましょう。

④Brahmacharyam(ブラフマチャリヤ)
… 禁欲・規則正しい生活をする。
ブラフマチャリヤは禁欲と訳されていますが、
現代ではパートナーとの正しい関係を保つ
というように理解されるようです。

⑤Aparigraha(アパリグラハ)
… 不要なのを抱え込まない。
貪らないこと。
必要のないものをたくさん買うなど。欲張らないこと。
更には考え方の部分で、固定概念を捨てること。
断捨離も、このアパリグラハから来ています。


ヤマ Yamaはどんな時でも、
どんな生き物に対しても、

どんな場所でも守ること。
実践するべき規律。

 

②ニヤマ Niyama

 自分のルール 自分自身が気を付けること。

①Saucha (シャウチャ)… 清潔に保つこと。
身体、住んでるところ、身につけるもの、
心や、頭の中もすっきりとさせること。

②Santsya(サントーシャ) … 与えられたものや、
状況、人々とのつながりを受け止め、
そこから学ぶ姿勢、態度を持つこと。

③Tapas(タパス)… 規律正しさ、苦行。
修行など困難やことでも実行する。
自分の成長として受け止めること。

④Svabhayaya(ソワディヤーヤ)
… 真実の知識を学ぶこと。
自分の本質、自分自身とは何か?
どのように生きるべきかなど。

⑤Ishvara pranidahana(イシュヴァーラ プランダーニ)
… 祈りや、毎日の感謝をささげること。
万物に対し感謝と尊敬の気持ちを持って接すること。

シャウチャは、身の回りを清潔に保つこと。
生活の基盤となる住居や身につけるものは
心のコンディションを表しますね。
ヨガの練習をする時にも
周りが片付いていないと落ち着かないもの。

心の状態も落ち着けて、
いつも爽やかな風が
吹いているようにしましょう。
良いコミュニティーに
身を置くことも大切なこと。

サントーシャは足りていることを知り、
満足すること。
過剰な期待をなくし、
現状をしっかりと見据えることも
ヨガの大切な教え。

将棋の羽生先生の扇にも「知足」が書かれています。
置かれている状況を自分に見合ったものだと
受け止め、不平不満をいだかないこと。

タパスはやるべきことをすること。
先ほどのサントーシャと
合わせ自分の現状は受け入れながらも
地道な積み重ねを行い、
自分自身を鍛錬する規律の事を言います。

ソワヴィヤーヤは、
真実の知識を学び、
自分自身が何であるか?
正しい認識を深めること。
マントラを唱えることなども含まれます。
精神的な学びを深めること。

イシュヴァーラ プランダーニ
特定の宗教でなくとも、
神様が作ったこの世界、
私達の身体の、奇跡的なシステムに
感謝な気持ちを持つこと。
⇒感謝の気持ちを持つことによって、
自分だけが、正しい!
自分だけが偉い!といった
悪いエゴを小さくすることが
できるといわれています。

③アーサナ asana 座位

瞑想を深めるための座位、
姿勢を保つために様々なポーズ
アーサナを実践すること。

身体的な鍛錬により、
長時間の瞑想に耐えうる身体的な状態を作ること。
身体調整は心の調整に繋がります。

④プラーナヤーマ pranayama
呼吸(エネルギー)を整える

瞑想を深めるための準備段階として、
呼吸をコントロールすること。

「プラナ」は生命エネルギーの意味。
プラーナヤーマは呼吸を
コントロールすることにより、
体内のエネルギーを整えること。
生理学的に言っても
呼吸は体内エネルギーの元となるものです。

ヨガの深い呼吸で
効率的に体内にエネルギーを作ることが
できるようになる。
ちなみに「プラーナ」を整えるためには、
正しい姿勢を保つことが大切で
アーサナの実践により、
プラーナヤーマがより効率的になると考えられる。

⑤プラティヤハーラ pratyahara
感覚のコントロール

感覚の意識を高め、繊細に感じること。

外側に向いている五感を内側に向けること。
アーサナの実践をして冷静にとらえること。

様々な刺激を受け、
ふわふわと動きまわろうとする
五感をコントロールし、
しっかりと方向を定めること。
感覚のコントロールは、
瞑想に向かうための大切なステップです。

⑥ダラーナ dharana
集中

心を特定の対象に定める状態にすること。

たくさんの考えが流れている状態を、
1つの対象につなぎとめておくことが集中。
この時は、まだ対象が外側にあります。

⑦ディヤーナ dhyana
瞑想

感覚の制御と集中が長く続いた状態

心があちこちに流されず、
ある程度の時間集中することが
できるようになる状態を瞑想(ディヤーナ)という。
自分自身は何であるか?
身体や心は自分自身ではないということを知ること。

外側の対象に長く落ち着いて、
集中できる状態が続くこと。

 

⑧サマディ samadhi
悟り

瞑想が長時間維持でき、
自分自身の本質を
見極められるようになること。

 

外側の状況や、
他人に左右されることなく、
いつでも平和で穏やかな状態。
満ち足りた状態であることを理解すること。

そして、その穏やかで平和な状態が
常に続いた状態になること。

自分の本来の姿が、
穏やかで満ち足りた存在であることを
理解すること。

まとめ

ヨガの8支則:アシュタンガは
分かりやすくヨガのゴールに
導いてくれるための方法です。

私は、2500年前に
「ヨガスートラ」として
体系的にまとめられていた事に
とても驚きました。

こんなにも昔から、
私たち人間の本質は、
変わることなく、
心の穏やかな状態、
平和な状態を求め、
試行錯誤を繰り返していたことにも!

いつでも心が穏やかで平和な状態にしたい!
そのためにはどうすればいいのか?
聖者パタンジャリ先生によって
しっかり分かりやすくまとめられています。

195句のスローカ(詩)のすべてを
読んでみるのもいいですし、
しっくりくるところだけを、
読んでもOK!

ムケーシュ先生いわく、
いつ食べても、食べ飽きない
おいしいごはん。

ページをめくる毎に、
新しい発見があり、
飽きることがないそうです。

 

気になった方は、
ぜひ、読んでみてくださいね。

ナマステ!

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