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月に1回のヨガ哲学の講義。
今月は、バガバッドギ―ターの講義でした。

バガバッドギ―ターって何?という方は、
コチラから

 

 

人は自分に与えられたことを
成し遂げるべきである
バガバッドギーター3章35節

 

今回は、私の持っている
バガバッドギーターのいくつかの
本の意訳を並べてみました。
少しずつ、ニュアンスが違うところが
面白いところ。

 

自己の責任を果たすことは、
たとえ不完全であっても、
他人の任務を行って成功するよりも優れている。
自己の任務で死ぬことは、幸いである。
他人の任務はすべて危険に満ちている。
(熊澤教眞 訳)

 

人は自分に与えられたことを
成し遂げるべきである。
たとえ他人のするべきことが
簡単そうに見えて、自分のほうが
上手く出来るかもしれないと思っても。
自分に与えられたことがどんなに難しくても、
不完全にしかできなくても、
与えられたことを果たすことが大事なのだ。
たとえ与えられた状況や、役割
完全に果たすことができず、
死によって途中で終わって
しまうことになったとしても
それは為されるべきである。
他人のすべきことを自分と比較したり、
混同したりすることがないように。
それは人に恐れと不安をおこすだけである。
人はみな、その人にしか
できないことを与えられている。
他人のすべきことは、
あくまでも他人のものだ。

競わず、恐れず、
自分のすべきことをまっすぐに
受け入れ立ち向かうのだ。

(向井田みお やさしく学ぶYOGA哲学)

 

自己の義務の遂行は、
不完全でも、よく遂行された
他者の義務に勝る。
自己の義務に死ぬことは幸せである。
他者の義務を行うことは危険である。(上村勝彦 訳)

 

スローカの発音など

 

シュレーヤーン スヴァダルモー ヴィグナハ
パラダルマート スヴァヌシュティタート
スヴァダルメー ニダナン シュレーヤハ
パラダルモー バヤーヴァハ

śreyān svadharmo viguṇah

paradharmāt svanuṣṭhitāt |
svadharme nidhanaṁ śreyah
paradharmo bhayāvahaḥ ||

 

単語の意味


śreyān スレーヤン : 幸運、幸福

svadharmas スヴァラモン : 自分の義務 役割
viguṇas ヴィグナ  : 〜に欠陥のある、性質が変化した
paradharmāt パラダルマ  : 義務;他人の特性
sva スワ  : よく、実に、正しく
anusthitāt アヌスティタット : 実践された、実行された
paradharmas パラダルモ : 他人の義務

人生を豊かにするための3つの選択。


①じっくりと味わう。

②よく観察する。
③心を開く。

 

美味しいものを楽しむためには、
ながら食いではなく、
じっくりと味わう。


新しい一歩を踏み出すには、

じっくりと観察することから。


そして、人生を楽しむためには、

自分がコントロールできる
心、マインドを整え、
良い状態に入れるように
働きかけることが大事。

そのためには、哲学を学ぶことも、
アーサナの練習を行って、
身体も、こころも整える。
考え方や、思考も
安定した状態にしておくことも大切です。

自分のするべき役割とは?


職業も自由に選ぶことのできる

現代の日本だと、
いまいちピンとこない
義務や、与えられた役割という言葉。

 

私に与えられた役割って何?
他にやるべきことがあるんじゃないか?
自分の使命ってなんだろう?
このような悩みは
どんな人にもあるものだと思います。


そして、他の人が熱意をもって

使命を胸に何かを頑張っている時には、
何をしたらいいのか?
明確なものがない自分が

ダメ人間のような気分になりますね。

 

でも、バガバッドギーターの中では、
役割は、状況や
周りの人によって変化するものだと
教えてくれます。

 

学校に行く、学生ならば
勉強をすること、お友達と楽しく遊ぶことも
与えられた役割です。

 


母であれば、家族のケアをすること。

ご飯を作ることが役割にあたるといえます。

 

目の前にあることを、誠実に行う。


「今」目の前にあることは、状況は、

間違いなく、自分が選びとった結果。
だからこそ、目の前にある義務(仕事)を
誠実に行うべき。

 

昨今、日本でもベストセラーになった
アドラー心理学「嫌われる勇気」では、

 

●「自分の課題」と「他人の課題」を切り分けて考える。

●他人の課題には介入しない

●自分の課題には介入させない

 

という3つの特徴が書かれています。

 

今回のテーマを読みながら、
人間って、気を付けないと、
自分の役割や、課題をついつい
他人のものと「ごちゃごちゃ」に
してしまうのだなぁと感じました。

 

ギータ―で説かれる「宗教」とは?


クリシュナ神によれば、

自分の与えられた役割を
やるべきことに意識を向けて、
誠実におこなうこと。
それが、宗教である。

 

宗教=あなたがどこにいても、
誰であっても。

果すべき役割とされています。

 

ムケーシュ先生のたとえ話だと、
家族と住んでいるなら、
ケアをし、両親を尊敬し、
敬うのが役割。

 

会社に行ったら、
上司の、顧客の求めに応じて
業務を行うのが役割。

 

哲学のクラスに出席したなら、
勉強することが役割!

 

自分の役割は、これしかない!
なんてことはなく、
その時、その時で
やるべきこと
「役割が与えられるもの」

 

その役割を知るには、
気づくには、

 

自分が「今」なぜ
ここにいるのか?
常に自分に聞いてみること。

 

この哲学クラスをまとめながら
そういえば、イヤイヤ期だった息子に、

幼稚園で楽しく遊んで、
お弁当を食べて
元気に過ごすのが、
あなたのお仕事だよと
言って聞かせていたことを
思い出しました。

 

役割は、探し回らなくてもいい。

ヨガの練習は、私たちに
自分の好き・嫌いの感情を乗り越えて
「今」目の前にあることを
淡々と誠実に行う。
集中するための練習で
あるとも言えます。

 


私は結婚して、出産し、

お母さんになった時に、
私の役割って何?
ご飯作ることだけ?と
不安になって、
一所懸命、自分の役割を
探そうとしたこともありました。

 

でも、このスローカは
私たちに教えてくれます。

 

役割は探し回らなくてもいい。
「今」目の前にあること。
それがあなたのするべき役割。
まずは、目の前のことを
誠実に行うこと。

 

新しい役割は、そこから
作っていくのかもしれません。

 

ナマステ!

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